新耐震基準の中での耐震危険度の違い

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おはようございます。最近地震が多いですね。多くの問い合わせを受けます。特に新耐震基準のなかでは、どの時代から安全か?は良くある質問です。

木造住宅の年代別危険度をまとめたページを作りました。良かったら参考にしてください。

新耐震基準の木造耐震診断

木造の新耐震基準で法律的な面では、2000年を境に大きく違います。壁量の基準はずっと変わらないのですが、2000年の改正建築基準法で、金物の規定、基礎の規定、バランスの規定が大きく拡充しています。法律的な面で見れば、2000年以降は大きな変更はないので、ここからが最新基準で比較的安全といえます。逆に2000年まではグレーゾーンといわれ、金物などが不備なものが多いので、危険な可能性があります。

しかしながら、当時の木造2階建ては、設計通りに作られていなかったり、そもそも耐震設計していない建物も多く存在しました。というのもチェックがなかったからです。役所の審査もありません。建築中の構造の検査もありません。そのため、法律通り設計し施工しているかわからないのです。

このような面で考えると2003年以降は検査済証を受ける数が多くなってきたので、比較的安全でしょう。というのは銀行融資に検査済証を活用しだしたからです。図面と違う建物が建ったら融資されない・・・ということで、建築の法令以外の面で、検査済証の必要性が高まり比較的安全になりました。しかしあくまで完成した建物の違いの有無を見ているので、構造面では不安が残りました。

2007年以降は耐震偽装事件を受け、構造に注目が集まったため、構造面での安全性が高まりました。しかし相変わらず審査もないので、少数ながら壁量計算や金物計算をしない建物は残っていきました。

2009年以降は、瑕疵担保履行法施行により、木造住宅の金物の検査、配筋の検査、雨漏りがしにくい仕様が求められるようになり、一層安全になりました。特にバルコニーまわりの漏水はこの頃から大きく減っていくことになります。金物や基礎は図面通りの施工が求められ、結果として安全な建物が増えました。

2025年には4号特例縮小により、多くの木造住宅が審査対象になり、更に安全になると思いますが、現実的には2009年以降が、安心なのでは?と考えています。

このように建築の法令だけでなく、事件や融資制度、保険などからんで、住宅は安全性を増してきました。新耐震とか用語が一人歩きしていますが、実際の世の中の動きを見て判断する必要がありますね。また法改正の日付は決まっていますが、実際の施工などの日付はバラツキがあるので、日付ベースで判断するのはあまり意味がありません。自宅が安全か?や、これから中古住宅の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。