リフォームで布基礎をベタ基礎にする意味はあるのか??

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長年不思議に思っていたことがあります。

リフォーム、特に全面リフォーム(スケルトンリフォーム)する場合、なぜか通常の布基礎をベタ基礎にする工事が、ネット上の現場写真によく見かけます。批判じゃなくて疑問です。

基礎の選定でベタ基礎と布基礎の違いといえば、地耐力に対する差くらいしか感じていない私にとっては、既に建設してだいぶ時間が経っている建物で、沈んでもいないのにわざわざベタ基礎化する意味が見いだせないのです。無筋の基礎が弱いので地中梁を添え基礎などで有筋化するのは、上部構造を補強する際に理にかなっているのですが、ベタ基礎化は違います。

また、べた基礎化するときに、内部の土をある程度出すなら分かるのですが、そのままスラブを打つので、床下が狭くなります。もちろん布基礎のときと異なり地面が直接露出しないので、地面からの湿気は防げるでしょう。しかし空気の量は少なくなって換気状態が悪くなっている写真も見かけます。もちろんコンクリートなので十分に乾燥するまで湿気などは上がってくるわけで、どれくらい乾燥させていたかも、重要です。

なので、私の場合は、防湿対策をすることはあってもベタ基礎化はあまり推奨しません。床下の換気状態が悪くなりますし、建物重量が重くなります。また差し筋程度でベタ基礎化したときに本当のベタ基礎の強度がでるのかも疑問が残るからです。その金額や手間があったら他のことをしたいですし、できるだけ重量は増やしてあくはありませんからね。

現場は様々なので、場合によりベタ基礎化が有効なこともあります。あくまでケースバイケースです。そのためにしっかりした調査が必要です。しっかりした調査を行って無駄な施工を省くのも設計事務所のお仕事なのです。