なまあず本舗の木造3階建ての耐震診断・補強設計・構造計算
なまあず本舗設計室の木造3階建ての耐震診断
なまあず本舗設計室は、木造3階建ての構造計算の建築士を抱え耐震診断できる数少ない設計室です。まず図面と現場が異なるかをチェックし図面上(実際の状況を反映)の安全性を検証します。その後、危険となれば現地診断を行うという二段階方式です。上記で説明したように、構造計算されていて、実際の建物もその通りであれば、ある程度の耐震性はあります。しかし異なる場合は注意が必要です。なまあず本舗設計室では、その判断を先に簡易な方法で行い、無駄を省いた診断を行います。
非破壊で検査します。そのためサーモグラフィーなどを利用します。上の写真は壁の中の筋かいをサーモグラフィーで調査しました。右側の写真は通常のデジカメで撮影、左側はサーモグラフィーで同じ位置を撮影しています。右上がりの筋かいが確認できています。
赤い部分が窓ですが、両サイドのオレンジの部分にダブルの筋かいが見えます。外壁に太陽が当たっている時間は調査しやすく、このように鮮明に見えることがあります。
基礎の仕上げモルタルの割れ。業者によっては、基礎が割れていると評価しますが論外です。もっとも何か原因があるかもしれませんので、割れている位置をチェックして原因を考えます。
なまあず本舗設計室の木造3階建ての補強設計
なまあず本舗設計室は、木造3階建ての構造計算・設計を専門に行っているため、診断だけでなく、補強設計も行っております。ただ壁を増やすだけでなく、全体的な構成を考え、現実的な補強案を提案しております。また、工事も業者の選定から、設計監理を行い、工事完了まで責任を持ってやりとげますので、ご安心ください。
駐車場(ビルトインガレージ)の補強。揺れが劇的に減ります。また開口が狭くなるのを最小限にとどめます。
駐車場(ビルトインガレージ)の補強。背面はステンレスブレースで補強しました。ステンレスは錆びにくいです。ただしブレース取り付け部の防水は非常に大切で、丁寧に作業する必要があります。
仕口ダンパー。壁を新設できないガレージの補強に有効。揺れを吸収し躯体の損傷を防ぎます。
新築木造3階建てでビルトインガレージを2つ並べた例(2014年:新築)右側はJ耐震開口フレームを取り付けて耐震強度を高めている。
木造3階建ての弱点になりやすいビルトインガレージも、プランニング段階から構造検討を行い、適切に設計することで安全に設計できます。一般的な木造3階建ての場合、プランニングや外観を決めてから、構造屋さんに依頼するので無理な設計になりがちです。計画段階から構造担当者を交えて打合せ設計することで無理のない設計にで地震に対しても安心して住める住宅を建てることができます。この建物では弱点となるビルトインガレージ部分の右側(車が入っている方)は、J耐震開口フレームを取り付けて前後のバランスを取りつつ地震に対して強い設計としています。
木造3階建ての耐震補強
一番依頼が多いです。ビルトインガレージは、便利ですし車も汚れにくいので人気が高いのですが、耐震性が低く、振動が多くなる傾向があります。特に木造3階建てでは幅が狭く耐力壁を十分に取れるプランが作りにくいです。また建物バランスが悪くなりがちです。木造3階建ての場合、構造計算で強引に壁量を合わせたり、偏心率を調整している物件が多いです。振動が気になる方は、構造計算書をチェックしてもらい、耐震診断をして、建物の弱点を知ってから補強を行うようにしましょう。ビルトインガレージだけを補強すると、かえって建物を弱めることがあります。強そうだからといって写真から類推して補強を行うのは危険です。
<一般的なビルトインガレージの補強方法>
・門形フレームを入れる方法
一番安全ですが、両サイドからそれぞれ24センチ程度内側に入ってしまうので、広い駐車場出ない限り、施工が難しいですし、車が入らなくなります。柱間3m以上の場合お勧めです。特に柱を痛めないですしがっちりしています。価格は比較的高額です(2013年O様邸で利用予定)。
・方杖を入れる方法(補強設計の写真の一枚目)
特に微振動を抑えるのに効果はありますが、柱が細いと大地震時に柱が折れやすくなります。通常は柱をもう一本建てて柱を折れにくくしてから施工します。門形フレームより有効間隔が広くなるので施工の汎用性は高いです。偏心やねじれを考えて慎重に設計します。費用的には安価なのがメリットです。方杖部分を強くしすぎると柱が折れやすくなるのと、他工法に比べ強度があまり強くならないのが欠点です。
・垂れ壁を入れる方法
比較的簡単に施工できます。外観デザインが大きく変わってしまうのが欠点です。施工次第で振動もかなり抑えることができます。車のサイズを考えながら、将来購入の車の予測も考慮の上、垂れ壁のサイズを決定します。両サイドに壁がない場合、効果が薄くなるのが欠点で、使う場所を選ぶ工法です。また垂壁を無条件に強くしすぎると、柱が折れやすくなるので垂壁の施工・計画には十分な注意が必要です。通常は他の耐震補強を補間するために活用します。
・仕口ダンパーを入れる方法(補強設計の写真の四枚目)
仕上げを考えなければ、非常に手軽です。ただし欠損が多く、取付場所を確保するのが大変です。小型軽量で目立たないので、扱い安いです。ただし、単独ではあまり強くならないので、数をある程度入れる必要があります。壁が付けられない箇所、建物の弱点となりやすい単独柱の位置などに取り付けると効果的です。制震機能が高く、大地震時の振動を抑制しますので、効果的に活用したいです。
・ステンレスブレースを入れる方法(補強設計の二枚目の写真)
ステンレスは錆びにくく、強度が強いので、屋外や開口部でも目立たずに使えるのがメリットです。ただし、屋外で使う場合は、仕口に水が入りやすいので防水に十分な注意が必要です。写真はコボットという古くから実績のあるステンレスブレースで、複雑な振動をする地震に対し、梁柱などの木材が傷まないように、工夫されています。