構造計算と耐震診断の違い

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構造計算と耐震診断の違い

一般的に構造計算は新築の建物を設計するときに行います。耐震診断は、既存の建物(すでに建っている建物)について行います。どちらも耐震性を確認するという意味では同じですが、内容は似ているようで違います。
とりあえず、設計者の力量をはかる際は、依頼するときに両者の違いを説明できるかどうか?を確認してみましょう。計算できなくても説明くらいできないようでは、建築士失格ですね。


木造構造計算と耐震診断の比較

わかりやすくするために、木造耐震診断について、おおざっぱに比較しました。壁量計算と構造計算と異なり、上位互換のような関係はありません。

構造計算 耐震診断
 柱頭柱脚の金物検討  N値計算 N値計算
 壁量 建築基準法 大地震に対する倒壊の可能性
 梁の安全性 計算により確認 ×
 柱の安全性 計算により確認 ×
 基礎 計算により確認 図面・目視により確認

耐震診断を行ううえで、構造計算や構造設計の知識、技術は不可欠です。RC造やS造はともかく、木造で構造計算の技術がある耐震診断者は非常に少ないのが残念です。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造の耐震診断の場合、1・2次診断は、柱の安全性は考慮しても、梁の安全性は考慮しません。3次診断になると梁の安全性も確認するので、より構造計算に近くなります。木造と異なり、構造計算にだいぶ近いといえます。


新築住宅で耐震診断する必要性は?

新築住宅で耐震診断する必要性があるか?は疑問です。図面の照合や施工の適正さをチェックすることは必要かもしれませんが。 あくまで耐震診断は、旧基準の建物を診断するのが原則です。特にRC造やS造ではそれが顕著です。しかし新耐震基準の建物でも耐震性が低いものがあるのは 事実です。特に木造は平成に入ってからの建物でも危険な建物が散見されます。疑問に思ったときは、診断より前に専門家に相談してみてはいかがでしょうか?