木造住宅の床下の湿気対策について

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おはようございます。2月に入り寒い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?新型コロナウイルスの流行が続いていますが、冬季オリンピックも開幕しますね。何が発生しても一日一日過ぎていきます。そして春に向かっています。季節毎の準備をお忘れ無く!

木造住宅の耐震診断をたくさんやってきたのですが、床下の工事を行っている方が意外と多く驚いております。具体的には、

1:調湿剤(炭なども含む)の設置
2:防湿シートの設置
3:床下換気扇の設置
4:床下補強金物の設置
5:シロアリ防蟻剤の塗布

などです。床下が狭すぎたり、床下から水が湧き出ていたり、カビが生えるほど湿気がある場合を除き、ほとんどやる必要がありません。

雑な防湿シートの設置。効果がないわけではないが、隙間から湿気が上がってきます。これくらいの床高がある場合は、後から防湿シートを敷く必要性は薄いです。このケースは土台も束も湿気が元々少ないので悪質に感じます。

もしカビなどが生えたり、床下の湿気が多い場合は、原因を突き止め、その対策を講じるべきで、上記が効果があるとは限りません。

1は効果がかなり薄いです。気休めならともかく、本格的な効果を考えるとやめたほうが良いです。商品自体が悪いといっているわけではなく、風通しを良くすることが先で、このような調湿効果だけで対応するのは理屈上おかしいからです。換気扇併用で空気が動くなら効果があるかもしれませんが、その場合は換気扇だけで十分な気がします。

調湿剤をこのようにまいているのは、ほとんど効果はありません。また炭なども効果が薄いです。

床下の湿気は、床下が必ずしも原因ではない場合があります。特に建物周囲に物を置いていたり、換気口が塞がっているなどの原因のほうが多いです。まずはそれを改善しましょう。私の担当した家の場合、建物周囲の環境を変えるだけで改善があったことがほとんどです。その場合、上記の対策の1~4は不要です。

シロアリの蟻道。外からは見えないし、室内からもわからないので点検業者や耐震診断者が発見することが多いです。

なお、4は、ほぼ無意味です。床下の補強を行うくらいなら、上部の補強を行った方が効果的です。床下は腐っている部位の交換・補修など以外は特に必要ありません。特に床下に金物を付けなければならないケースは今まで見たことはありません。束が外れているので、きちんと取りつけた、はありますが。

床下金物の例。大量についていますが、ほぼ効果がありません。

5に関しては、近隣次第だと思います。最近の防蟻剤は効果が薄いので、定期的に塗布する必要があります。ただ効果がそれなりなので、近隣に空き家があったり、隣棟間隔が狭かったり、湿気が多いなどがなければ、それほど気を使う必要がありません。

新築時の防蟻措置。それほど長期間効果があるわけではないので注意が必要です。

また、床下の湿気が本当に多く、建物周囲の環境改善で効果がない場合は、3の床下換気扇の設置だけで十分だと思います。1と併用は不要です。併用するなら2と3ですが、よほどのことが無い限り3だけで十分です。これは床下が慢性的に湿気がある場合などに効果があります。ただ単につけるのではなく、きちんと設計して設置する必要があります。私が見てきた中に、かなりの割合で効果が薄い取りつけ方のものがありました。

また、床下換気扇で太陽光パネル駆動方式のものがありますが、大した電力でもないので通常電源方式にしましょう。

あと、床下を気にする余り、これらの工事を行うときに、基礎を壊していく業者があります。これでは本末転倒でやらないほうがマシのケースも多いです。十分に注意しましょう。

換気扇設置のために基礎に穴を開けた例。これでは耐震性が大幅に落ちてしまいます。

確かに、床下は重要ですが床下換気扇などが取り付いている建物を精査した結果、ほとんどの建物で不要と判断いたしました。これは必要だな、と感じたのは、床下の湿気が地域特性でどうしても取れなかったS様邸くらいでした。ここは建物周囲も十分に開けていて、換気口も適切についているのに、湿気がでてきます。また床下も若干低いこともあり、換気扇設置は妥当と感じました。実際つけてからカビが減ったそうです。

そんなわけで、床下の工事を勧められた場合は、慎重な判断をしたいところですね。