どこが最初に壊れるか?が大切

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おはようございます。昨夜は北海道で最大震度6弱の地震が発生しました。北海道にしては比較的寒くなかったこと、建物被害が少なかったこと、など若干の幸運も重なって大事には至らなかったようですが、これが嵐の中だったり、もっと極寒だったら・・・想像するだけで背筋が寒くなります。度重なる地震に被災者の皆様にお見舞い申し上げます。

さて、耐震診断や補強のときだけでなく、意匠の建築士さんからもよくある指摘なのですが、この壁をもっと強くして、とか、ここの代わりにここを使ってとか。構造技術者からみれば意味のないことなのですが、その理由をきちんと説明しなければなりません。

そのときにお話しするのが、地震が来たとき、どこが最初に壊れますか?と質問します。建物は均等の強さでは無く、どんなに弱い建物でも、どんなに強い建物でも、強いところと弱いところは必ず存在します。そして建物は弱いところ(弱点)から壊れます。もちろん地震の揺れの周期とか、方向とかにも依存しますので必ずしも、というわけではありませんが、それでも弱いほうから壊れるのです。

なので、耐震補強では、弱点にあたる部分を重点的に補強し、一番弱い箇所の底上げを第1目標とします。強いところをいくら強くしても、弱点補強にはならないのです。耐震診断の評点は、各階各方向の一番弱い評点となっています。つまり評点を上げるには、弱い階の弱い方向を補強するのが一番なのです。

耐震診断では、建物の弱点を探すことが重要です。まず壁が少ない方向や通り、白蟻や雨漏りなどでいたんだ部材があるところ、吹き抜け、セットバック、基礎がない壁、基礎が割れているところ、金物がついていないところ・・・。弱点の部分から壊れるとなると、弱点を見つけることをが耐震診断の第一歩なのです。そして補強のときに、効率的に補強するためにはどうすれば良いか?を考えるのです。

まあ口でいうのは簡単なのですが、実際は難しいです。なので耐震診断技術者は日々訓練や勉強を重ね、現場を数多く経験しなければなりませんね。