規模の大きい作業所の耐震診断

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今年一年準備にかかった作業所の現地調査に行ってきました。作業所の機械が動かない日曜日に調査を行わなければならず、各業者さんにいろいろとご迷惑をおかけしました。今年最大の規模の診断です。

作業所は4階建ての鉄骨造。隣に新しい作業所の建物も建設されており、両者はほぼくっついていながら独立しています。重いものを取り扱うので、想像以上に頑丈に見えますね。ただ古いうえ、屋上には居住区(寮)が増築されており、見るからに不安定に見えます。当日もその寮の方々はお休みでのんびりしていましたが、地震で倒壊したらこのような生活もなくなってしまうわけで・・・診断は重要です。

朝7時に府中を出発し、現地に到着。部隊としては我々診断チーム(なまあず)、手続きチーム(意匠設計者)、破壊担当(工事業者)、超音波担当(調査会社)、コア抜き担当(調査会社)。あと仮設もありますので自動車は5台構成です。作業所なので駐車場には困りませんが、通常にアパートなどだとこれも大変です。

我々診断チームは、各階の柱や梁をチェックし、ブレースの状態を記録。他のチームも分担された通りに調査を開始します。一番大変なのは破壊担当。思ったよりコンクリートが堅いうえ、厚いです。そして破壊し始めた場所に配管があったり、調査不能箇所があったり・・・。逆に超音波チームはあらかじめ調査箇所を選定していたうえ、広い空間もあったので、非常に短時間に終わりました。破壊担当は何カ所も壊して大変立ったと思います。その後のコア抜きやはつりも苦戦しました。図面が整っていないということは改めて大変なのだと思いました。矩計図がついていたのですが柱脚が根巻きでした。でも見るからに一目で・・・違いました(涙)なので虎の子の図面もまったく役に立たなかった訳で・・・・。事前に分かっていたことなのですが、やはり大変なものです。こうして各担当が仕事を終了したのは午後3時頃。もちろん補修も必要です。1日がかりの調査となりました。

耐震診断ってなんでこんなに高額なの?と思う人もいますし、ぼったくりでは?と公然という方もいます。しかし実際に一つ一つの作業を精査しているとそうでないことがわかります。またそれぞれの調査器具の価格、人件費、専門的技能・・・それらを考えると低価格でやれるはずはないのです。とはいえ、現実的な価格で調査できるように努力する必要があります。今回も実際の市場価格に比べればかなり安価になったのは事実ですが、果たして他にも方法がなかったか?これから精査する必要があるでしょう。

とはいえ、調査は無事に終わりました。これから各試験データと調査内容を合わせて診断を開始します。ここからの作業も重要で、時間がかかります。できるだけ速く仕上げたいものです。

それから・・・診断中に都内は震度3の地震に襲われました。事業所も結構揺れました。診断や補強は大地震が来る前に終わらせたいと強く感じました。