東日本大震災から10年

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おはようございます。本日は2021年3月11日。10年前の今日は東日本大震災があった日です。

どちらかというと原発と津波の被害とインパクトが強いため、地震の揺れに対する被害が小さく見られてしまうのは仕方がないことなのかもしれませんが、実際は震度7(栗原市)もあり、広範に強い揺れを観測した地震で建物の被害も数多く見られました。原発や津波のこともありましたが、建物の倒壊情報が、そのインパクトに比べて少なく感じ、また他の情報が数多く流れ、あまり見ることがなかったことから、新耐震基準以後の建物は比較的安全で日本の建物の耐震性は高くなったと感じる方も多くなりました。

この未曾有の震災から復興してきた日本にとって、建物の耐震性は優先順にが低かったのか?そんなことはなく各自治体では耐震診断に助成金を出し古い建物の耐震化に力を入れてきました。また古い建物の建て替えも進みました。一方で空き家が増えてメンテナンスされていない建物も増えてきて社会問題化し始めています。

そんな状況にあって、なまあず本舗は、旧耐震の建物はもちろんのことですが、震災を機に、新耐震の建物の耐震診断に力を入れるようになりました。実際、新耐震の建物でも耐震性に不安を抱える方は多く、ツーバイフォーや木造3階建てといった地震に強いと言われている建物の耐震診断・補強も数多くやってまいりました。そこで得られたデータは実に興味深く、新築といえども耐震性にはもっと注意しなければならない、新しめの建物であっても耐震性が低く危ないものが数多くあることがわかりました。

建築基準法の基準同等の木造2階建て住宅はやはり大きな地震には性能不足で、耐震等級3くらいは必要なのではないでしょうか?ということや、構造設計は4号建物でも必須ではなかろうか?という意見も増えてきています。また繰り返しの地震には、どんどん耐震性が下がっていくことが木造住宅では顕著です。制震や免震に興味を持つ方も増えました。またWallstatのような振動解析のプログラムがちょっとしたブームにもなったりしました。しかしどれも限定的です。すでに地震に対して新築建物が安全だという考えが普通になってきたからだと思われます。

そこで今後もなまあず本舗設計室では、ただ単に構造計算できるだけでなく、地震に対してより安全な建物の普及に全力を尽くしていこうと思っております。そのために今年は模型を使って振動実験できる設備を導入したり、Wallstat 等のソフトでの解析、実験内容をyoutubeに上げたりと徐々に研究と周知を開始しております。今後さまざまな実験やその結果に基づく耐震化を構造設計、耐震補強で活かしていきたいと思っておりますので、期待していてください。