建物の振動を減らすには?

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おはようございます。台風が近づいてきています。台風は進路予想が非常に難しい上、わずかな位置の違いで被害が大幅にかわるやっかいな自然現象です。しかも強いまま、九州地方の西側を通過するルートを辿りそうです。言うまでも無く台風は強弱があります。上陸すると弱まる、台風の中心である台風の目は風が弱くなる、目の周辺が最も風が強くなる、進行方向に向かって右側が左側に比べて強く吹く、などの一般的な特徴があります。そのことから今回のルートは九州地方の方々には、あまりよろしくない台風となる可能性が高いです。十分に注意して過ごしていただきたいです。

設計事務所をやっていると、多くの相談を受けます。新型コロナのご時世なので、移転を機にZoomなどでも相談を受けられるように現在準備中です。

さて近年相談が激増しているのは、建物の揺れについてです。よく勘違いされるのですが、私は耐震設計・耐震補強は得意としているのですが、交通振動や揺れの専門家ではありません。似ているようで違います。ただし耐震補強を行ったら、振動にも効果があった事例も多いのです。補強設計のときにどちらに力を入れるかは?お客様の要望を聞いて判断しますが、狭小住宅の場合判断が難しいことが多く、より時間をかけて考えています。

木造住宅の場合で、揺れが多いと感じて相談に来るケースは

・そもそも揺れる
・交通振動
・風
・狭小木造3階建住宅(特にビルトインガレージなど)
・違反建築

の5つでほとんどです。一番難しいのは風で、立地状況などで強風が当たる場所では、設計や施工がきちんとしていても揺れてしまう事が多いです。建物を固めにしても揺れを感じるケースが多く難儀です。対策としては風を受ける部分を減らし壁補強を行うことです。風を受ける部分を減らすだけで結構な効果がでるのですが、外観をいじることになるので躊躇する方も多いです。

交通振動もやっかいです。木造2階建ての場合は、耐震性不足の建物がほとんどなので、耐震補強を行うことで解決することが多いです。木造3階建ての場合は原因が多岐にわたります。通常の耐震補強よりもやっかいなので、原因とお客様の感じている揺れの種類を特定するのに時間がかかります。

狭小木造3階建住宅は、ビルトインガレージの相談がほとんどです。高倍率の壁で構成した狭小建物は余力が少なく揺れに弱いです。構造計算されていても同様です。ただし無理な設計をしていなければ、それほど問題になることはないようですが気持ちの問題もありますから・・・。構造計算している建物の場合は、ちょっとの工夫・工事で揺れが激減することがあります。

違反建築やそもそも揺れる建物は論外なのですが意外と多いです。基本的に耐震性が低いので、揺れ以前の問題です。必要な金物がなかったり、耐力壁のバランスが悪かったり。なので改善に非常に時間とお金がかかることが多いです。ただ既に違反建築であり、建物価値が薄い場合が多いので、工事に踏み切りやすいというメリット(それをメリットと感じるかどうは別ですが)はあります。

さて、今月は9月12日(土)の10時~16時、9月17日の19時~21時に、建物の揺れに関する無料ZOOM相談会(予約制)を実施いたします(Zoomを利用できる方に限ります)。時間は最大40分で開催日の2日前まで予約を受け付けます。こちらの問い合わせフォームから、問い合わせ先を設計室(耐震診断・補強)、問い合わせ種別を(ご相談)にチェックを入れて、簡単に問い合わせ内容と希望時間(上記から数個幅を持たせていただけると助かります)を記入のうえ、お申し込みください。