なまあず住宅相談の第6回は雨漏り。雨漏りの相談が一番多いです。悲しいことに、施工業者毎に差があるらしく、同じ業者さんの建物が出てくることがあります。まあ元請けさんが同じだからといって、外壁や屋根が同じとも限りませんが、傾向があるのかもしれません。
S共同住宅の場合
当社代表の父が設計した建物で昭和の建物のS共同住宅。S様とは仲良くさせていただいていたので、直接相談がありました。雨漏りしているというよりタイルが剥がれかけている、というトラブルでした。もちろん外壁に損傷がでてくれば雨漏りもしている可能性が高く、またしていなくても近い将来する可能性が高いです。何より人の上にタイルが落ちたら一大事です。
さっそく施工会社の代表と私で見に行きました。打鍵調査を行うまでもなく危険ということで、すぐに施工を開始しました。原因はタイルの施工不良箇所があり、運悪くその上の笠木からの水漏れが重なりということで一部分が非常に劣化した状態になっていました。すぐに気がついたことが幸いし補修でき、それから10年以上経ちますが問題は発生していません。
M様邸の場合
M様邸も当社代表の父が設計した建物で昭和の建物。商売をやっているM様は忙しかったのか?まったく修繕していませんでした。そしたら至る所から雨漏りが。私も相談を受け、サーモグラフィーを持って調査に。すると屋上の笠木だけでなく、窓の部分も水が回った形跡が。一番多いのは屋上からの排水の部分と特定しました。その後M様は全面的に屋上と外壁を修繕しました。その後雨漏りの話は聞いていないので大丈夫かと思います。どんなに施工が良くても放置しておけば、いつかは同様のことが発生します。最初訪問したときは、酷いと感じました。何しろ屋上は鉄筋が露出していましたからね。これを設計者・施工者の責任!というのは酷ですね。
T様邸の場合
T様は、リフォーム会社の紹介で耐震診断・外壁調査を行いました。中古で購入したのですが、とにかく雨漏りが酷い。その原因を、とのこと。サーモグラフィーをかざしても温度差がないので、不審に思っていたら外壁のほぼ全域に水が回っていたのですね。M様と異なり、築年数も浅く施工ミスも散見されたので、施工元とも相談。別に責めるつもりはなかったのですが、責任感の強い会社さんで、大部分の補修を考えられないくらい安価に丁寧にやってくれました。失敗したかもしれませんが、誠意ある対応は感動しました。かなり時間はかかりましたが、無事に工事は終了。T様も引っ越し早々大変だったと思いますが、今は快適に暮らしているそうです。
雨漏りは、本人が気がついている、いないに関わらず非常に多いです。耐震補強やリフォーム中に雨漏りを発見することも多いです。対応に時間やお金がかかるので後回しの方もいますが、後になるほど費用がかかり、場合によっては取り返しの付かないことになる場合もあります。気がついたときは、できるだけ早めにご相談ください。