木造3階建ては雨漏りしやすい?

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おはようございます。

なまあず本舗設計室は木造3階建ての耐震診断を多くやってきました。

構造計算されて信頼性が高い木造3階建てでは、耐震診断は不要では?と思う方も多いかと思います。しかし以下の点で必要だと思っています。

1:構造計算通り建てられていない可能性

これは意外と多いです。そのため診断が必要なことがあります。

2:そもそも構造設計が正しくない

構造計算や構造設計が間違っているケース。これもあります。所定の性能がでません。

3:施工の信頼性

20年位前の木造3階建ては施工が正しくないものが多いです。金物の付け方などは、間違っているケースが多発しています。

ただ、一番多いのは雨漏りの可能性です。木造3階建ては軒高9m以下で、斜線の影響も受けやすいため、各階の階高が木造2階建てよりも低く余裕がありません。また軒の出もほとんどないのが多いです。そのため防水が不十分だったり、防水立上り不十分で、雨漏りするケースが多発しています。

雨漏りで合板の裏まで雨水が浸入している例。このケースでは柱・梁がかなり腐っているケースが多いです。

そのような木造3階建ての特徴面だけでなく、ちょうど雨漏りしたときに内部で水分が滞留しやすい1990年代後半から2000年代前半の木造住宅の悪しき流行の時期と重なることも、雨漏りが多い理由でもあります。この時代、昔と違いある程度気密性が保たれ、防水技術も上がってきました。しかし振動等で隙間が出来た場合、その隙間から入った水分を抜く機能がない建物が多くなっていました。そのため昔の建物では隙間が多く雨が入っても溜まらないで乾いてしまうところが、雨水がたまり続け、短期間で腐ってしまう事象が多く発生しました。現在の木造住宅は、外壁に通気を取っており、外壁から雨水が入っても下部に流れるか、乾いてしまうので多少の雨水の侵入はまったく問題ないのです。

そんなわけで、特に2009年以前の木造3階建ては、雨漏り調査も含めて耐震診断をした方が良いと思います。なぜ2009年なのかというと、住宅瑕疵担保履行法が施行され、木造3階建てで雨漏りの多い、バルコニー回りの防水に関して保険のほうで規格化されたおかげで、それ以降では雨漏りが少なくなったからです。詳しくは下記の記事を参考にしてくださいませ。

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