こんにちは。猛暑が続いたと思ったら、今度は大雨が続きます。我々の想像どおりにいかないのが自然。なので災害対策は多種多様な考え方が必要です。画一的で政府や学者に任せてはおけません。個人個人が勉強し考えて行かなければなりません。
ということで、その学習する方法は何か?今はインターネットがありますが、たかだか20年程度の知見しかありません。しかも個人発信の有益なホームページはどんどんなくなっていきます。新規発行の本も減ってきています。多種多様な考えを学ぶには過去の書籍にあたることも必要と考えます。
なまあず本舗設計室では、耐震診断などで過去の建物を診断するにあたり、現在のマニュアル類だけでは限界があると考えています。その建物が建った時点での世の中、使われている建材などの知識が不可欠です。しかしその時代に生まれていないので、どうしても書籍に頼る必要があります。
そこで、10年前から、古書を集め始めています。時代の流行や建築様式は、建築雑誌が良いと考えています。広告も載っています。現在の会社名とは異なる会社名のところもあります。古い建物ではそういった名前が出てくることがよくあります。また現在の設計や施工の仕方が違う場合があります。昭和初期に木造の建築金物が今の通りだ思う方はいませんよね?ではいったいいつからか?そのような知識がないと、ただ単に「金物なし」の診断をしてしまい、建物を正当に評価することはできません。
現在も少しずつコレクションを増やしています。将来的には、私設図書館として公開していけるレベルになればいいな、と思っています。できればコワーキングスペースやカフェを併設し地域の方々にも役に立つような施設を作ってみたいです。
これは大正時代の構造設計のテキストです。欧米から建築技術が入ってきており、その内容と日本独自の内容をミックスさせて洋風建築のテキストとしています。そのため雑多な内容になっていますが、意外と高度です。
昭和33年の鉄骨造のテキストです。当時は工事費や、意匠・構造など併記されていることが多く、ここでも構造計算事例だけでなく、価格などの例も載っており、当時を知るには非常に良い図書です。
内容はシンプルで学びやすいです。構造に関してはパソコンがない時代は手計算に関する知識が多く、初めて学習するのに適した内容が多いです。文字が小さいですが一覧性に優れます。紙代、印刷代が高く書籍が贅沢なものだった時代のもので、現在よりも編集にも気合いが入っている感じがします。
木構造の規準もちょっと名前が違いますが、戦後すぐからありました。時代毎に並べると厚さの違いにビックリです。現在はさらに大きく分厚くなっています。しかし内容は当時から踏襲した物もあり、初代を一読しておくと、現在の規準を読むときに、頭に入りやすいです。規準類も古い物が不要とは思っていません。これから重要になっていくと思います。
雑誌もこのように保存しています。常に見られる状態にしておくので、どうしても保存性は良くありません。集めることが目的ではなく、読んで伝えていくことが目的ですので仕方がありません。実際に仕事で役に立つことも多いです。
所蔵で古いほうの雑誌です。当時建ったばかりの建物の詳細なども掲載されており、非常に有益です。まだ建っている建物もあります。それらがなくなるまでは貴重な存在だと思っています。懐古主義ではなく、まだまだ実用書です。大切に保管して読める状態にしておきたいものです。
なまあず本舗設計室では、一緒に働いてくれる建築士の方を募集しております。小さな事務所ですが通算45年の歴史と、地元密着で街の設計屋さんとして様々な設計を経験できるのが強みです。耐震診断が有名になりましたが、小さな住宅の設計など全般に経験できます。構造計算から意匠設計まで通して経験できる設計事務所も少ないと思います。独自のノウハウでそれが可能になっております。興味のある方は、是非ご連絡ください。
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