おはようございます。まだ街中を見ると倒木など台風の被害の後片付けが終わっていないようです。週末には台風25号が接近・上陸する可能性があります。片付け、補修はお早めに!!
さて、今日は木造住宅のお話し。最近構造面では進化が著しく、以前では考えられなかった間取りが実現できるようになりました。といってもそんな建物今までもあったのでは?と思われる方も多いかもしれませんが、木造2階建て住宅の場合、構造計算されていないので、割合適当に設計されていたりして、構造上安全性を確認していないものが多かったのです。ここ10年、きちんと設計されることが多くなり、また耐震等級が普及した為、ある意味保守的な建物が増えてきました。しかし自由な開放的なデザインを求める声も多く、様々な工夫や設計方法、構造部材が開発されてきました。その大半は構造を理解していないと使えない、ということもあり、構造設計できる建築設計事務所の出番が多くなったのです。
これは弊社で設計したM計画。GUWUというシリーズでお馴染みですね。体育館に見えますが個人住宅です。テックワンP3プラスという新型の金物工法を利用し、32畳!の無柱空間を生み出しています。
翌年学童の設計でも利用しましたが、特筆すべきは木造住宅で使う木材で設計・施工できるので、非常に施工が楽ですし安価です。公共建築のような価格にならないのが魅力です。施工が早いのもポイントで、柱を立てて屋根の合板を打ち付けるまで1日かかりませんでした。
次は、今年4月に発売されたばかりのベースセッターという金物。
なんと450㎜幅の柱を耐力壁にできる画期的な金物です。通常の耐力壁は約90センチ必要で、合板壁でも60センチ幅が必要です。しかしこれは45センチ!!しかも柱自体で地震の力を受けられる!!のです。より自由な間取りを実現できます。使うには構造計算が必要です。耐力も高いので今まで実現できなかった間取りが、安全に実現出来るようになります。
こちらは、なまあず本舗ではお馴染みのハイテクダンパー「仕口ダンパー」です。小さな金物ですが、寺社などで多数使われてきている実績十分の金物です。内部に粘弾性体が入っており、地震が来たときの揺れを吸収します。耐震というと壁のイメージがありますが、これは違いますのね。1つ1つの力は弱くてもたくさんつけることで効果を発揮します。多発する地震での建物躯体の損傷を減らす効果もあります。
BXカネシンのDIT制震筋かい金物は、筋かい金物に制震機能を採り入れた画期的なものです。筋かいは繰り返しの地震に弱いうえ、仕口部分に欠点があるので、最近はあまり使われなくなってきましたが、その弱点を補い、さらに制震機能を採り入れたことで注目を集めています。
岡部のブレスターZ600も似た発想の筋かい金物ですが、こちらは一体の金物で出来ており信頼性が高いです。特に繰り返しの大地震でも損傷しにくくなっており、筋かいを利用する場合、なまあず本舗でもお勧めの金物となっております。
今回は金物・部材の紹介でしたが、次回は設計手法の進化を解説いたします。