木造3階建てで雨漏りが多い原因

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おはようございます。昨晩から雨が結構降っています。すっかり梅雨といった感じです。東京の梅雨入りはいつからでしょうか?

さて、この時期になると雨漏りの報告を受けるようになります。木造だけでなく鉄骨造や鉄筋コンクリート造もです。鉄骨造といえば、駄菓子屋なまあずも雨漏りして、先日無事に雨漏り補修を行いました。雨漏りは放っておくと腐っていったり建物に深刻な被害を与えるだけで無く、住んでいる人の健康も脅かしますので、見つけ次第速やかに補修するようにしましょう。

さて、なまあず本舗は木造住宅の耐震診断を多くやってきていますが、不思議なことに木造3階建ての雨漏りを多く見つけます。そしてその被害が甚大です。不思議に思っていたのですが、以下のような特徴があるためと推測できます。

・木造3階建ては、気密性が高い反面、中に雨水が入ると外に抜けにくい構造になっているものが多く、腐りやすい。

・木造3階建ては軒の出が少ないものが多く、屋根と壁面の継ぎ目あたりからの漏水が多い

・木造3階建ては各階の高さに余裕がなく、設計に余裕がないので、雨漏りしやすい。

・木造3階建ては変形した建物が多く、隙間が出来やすい。

・木造3階建ては、壁面が多く風が当たりやすいため、風雨の影響がでやすい

などです。一番上は、施工の問題で平成元年あたりの施工のものなら、木造2階建てにも多く見られます。他も木造2階建てでもあり得るのですが、木造3階建てのほうが多く発生するので目立つのかもしれません。特に不整形の建物は多く発生します。

住宅瑕疵担保履行法施工前だと、バルコニーの立ち上がりをうまく取れていない住宅が多いのが木造3階建ての特徴でもあります。これも階高の制限から設計余裕がないためで、木造2階建てより多く見られるようです(あくまで確率的にです)。木造3階建ての雨漏りは、バルコニー廻りが多いのも頷けます。その場合、防水をやり直しても再発してしまうものが多いです。立ち上がりからやり直さないと・・・というケースが多く、コストが高く全面補修を諦め、部分補修を繰り返す・・・の悪循環になりがちです。

近年の、木造住宅は、3階建ても含め、通気胴縁、バルコニー立ち上がり、防水透湿シートなどにより、雨漏りトラブルが減りつつあります。しかし、無理な形状な建物を中心に雨漏りが起きる住宅は発生し続けています。防水技術は現状では限界があり、形状によって防ぐしかありません。特にパラペットやバルコニーはその傾向が高いです。無理なことをすると、八王子の階段崩落事故を思い出すまでもなく、事故が発生することになりますので、要注意です。

梅雨時で雨漏りを発見しやすい季節でもありますので、是非、雨が降っているとき、降った後に雨漏りがないか?点検してみてください。

外壁からの雨漏りの被害の例。構造用合板を貼ってあるため、被害が分かるまでに時間がかかることが特徴。合板の表面は腐っています。また柱にも影響が出てきています。この状態ならまだ補修が可能です。早めに見つけて対処しましょう。