リフォーム依頼のときに、ついでに耐震補強は注意が必要!!

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おはようございます。あいにくの雨の府中市です。

昨日は耐震診断2件やってきました。こんな時期なのにご依頼いただき感謝いたします。今月は今のところ5棟診断予定です。診断はやりっぱなしでは駄目で補強案を作ったり、見積業者を選定したりと、見えないところでいろいろやることが多いので、今の人数ではこれが限界ですね・・・。

弊社で木造耐震診断を承る物件は、基本的に何らかのリフォームをしてきた物件が多いです。キッチンや浴室の交換レベルから、間取りの変更を伴うもの、平屋を2階建てにするなど、様々です。特に古い建物では原型を想像するのが難しい物件もあります。

さて、そのようなときに、大工さんやリフォーム屋さんの「好意」で耐震補強もついでにやっておくよ、ということが良くあるそうです。それを耐震補強した=安全安心と勘違いする方もいれば、そもそも覚えていない、というまで様々です。好意の補強は、キッチンなどの交換といった工事箇所に、筋かいを入れるパターンが多いです。追加料金をとるものから、本当に無償で行っているものまであります。

しかし、お得かどうかは良く考えてから依頼したほうが良いです。というのは耐震性能が逆に下がったり、あまり意味がなかったりすることがあるのです。

10年ほど前、担当した物件で印象的だったのは、部屋のリフォームしてもらったときに追加料金で鉄筋ブレースを入れては?と提案を受けたそうです。かなり高価でしたが耐震性があがるならと工事してしまったそうです。その後、私の所に診断依頼があって診断したのですが、そのブレースは建物の強い方に入っていて、建物バランスがブレースによって悪くなってしまいました。たぶん悪意はなかったのでしょうけど、結果的に耐震性を損ねることになりました。先日も浴室交換時に筋かいを入れ(これは無料サービスだったそうです)てもらったのですが、調査したら、筋かい上部は梁がなく、まったく意味がない状態になっていました。当然金物の取りつけもなし。報告したらさすがに残念がっていました。

耐震補強は、効果が高いと思われるところに入れないと意味がありません。無意味なだけでなく、かえって弱くなることもあります。確かに耐震診断は高価です。しかしきちんとした工事を行うためには必須です。とてもサービスで行えるものではありません。

なので、ついでに・・・は耐震診断に充てるべきであって、診断せずに補強は基本的にお勧めしません。特に追加金額がかかる場合は高値だったりいい加減だったりしますので、要注意です。

ちなみに、無料で耐震診断を行っているところはありますが、基本的に施工代金に上乗せして回収するビジネスモデルですので、完全に無料サービスというわけではありません。