2014年10月期決算

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本日、昨年度の決算を無事終了いたしました。

新たな設計事務所の形を目指して、住生活安心企業を標榜してスタートしたのが2012年4月。東日本大震災から1年ほど経っていました。皆様ご存じのように東日本大震災は我々の想像を絶する巨大な津波で東北沿岸は飲み込まれてしまいました。耐震性を良くすることで少しでも地震で失われるものを少なくすることをライフワークとしていた私にとっても衝撃的で、考え方を改めるきっかけとなりました。構造だけに目がいってはダメだ。もっと生活を大きな視点から見ないと・・・と思い、なまあず本舗を立ち上げました。

それから3年が過ぎた今年の決算。昨年は黒字ですが今年は赤字となりました。売上げ的にはさほど変わりません。変わったとすれば消費税など周辺環境 と竣工のタイミング程度です。つまり前年並みを狙っていてはダメになる、ということです。もちろんそんな気はありませんでしたが、結果そうなりました。消 費税10%時代を見据え、更なる飛躍を目指さねばならないと痛感した決算となりました。今季はより一層魅力的なお仕事をして、皆様から期待を持ってお仕事をご依頼いただけるように頑張って行こうと思っております。

ただ、弊社のことだけ考えて経営していくという時代は終わりました。

コンビニなどは災害があると一瞬で物がなくなります。日本の物流システムは非常に高度な反面、各店舗在庫をあまり抱えない、という欠点もあります。それでも人口密度が低く、空き地が多く、沿岸部がある地方ならなんとかなりますが、東京のように海も狭く空き地も少なく、人口がとてつもなく多い地域では、すべての物が不足します。備蓄量もそれなりにあるのですが、やはり自宅・地域での備えが必要です。阪神淡路大震災の頃は、材木屋さんが街にたくさんあり、仮設を作るまでもなく材木で様々なことが可能でしたが、今、府中を見回しても材木の在庫を持っている材木屋さんは激減しています。食料を販売している店も減ってしまいました。それに加え高齢化社会。災害時に動ける若者の数が減って、介護しなければならない年配者が増えています。そのため阪神大震災のころより都会の災害対応能力は下がった面もあると感じております。

駄菓子屋なまあずも、地域の子ども達のために、と思って立ち上げただけではありません。災害時などに少しでも役に立てれば、と思って開始しました。小さくて携帯しやすい駄菓子は災害時には最適です。もちろん在庫量はたかがしれていますが、商品が販売で回転することにより、保存食品のように賞味期限を考えながら定期的に入れ直す必要もありません。また小銭でも買える駄菓子があれば、災害発生時、救援が来るまでの数日間、少しでも楽しく過ごせるかもしれません。そういった思いでやっております。

耐震診断・耐震補強はもちろん、地震や災害に強い住宅の設計に強みを持つ弊社ですが、それだけではなく、もっと大きな視点から取り組んでいこうと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。

株式会社なまあず本舗 代表取締役 石塚武志