平面形状がL型の建物の危険

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おはようございます。今日は曇天。雨の予想でしたが府中はまだ降っていません。梅雨なのにほとんど降りませんね・・・。渇水が心配です。

さて、東日本大震災は津波と原発事故のインパクト・被害が大きくて、あまり地震の被害は注目されませんでした。私も震災後1ヶ月目に仙台に入りましたが、それほど大きな被害・・・は感じられませんでした。しかし細かく見ていけば、かなり被害が多かったのも事実です。特に感じたのはL型建物のLの内側の被害でした。

平面的に長方形や正方形が建物では理想です。コの字型やL型は揺れ方がバラバラであり、構造的に不安定であると構造技術者は一般的に知っています。だからといって長方形や正方形の建物だけ建てていればいいわけではなく、安全を考えて設計しています。

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このようにL型の継ぎ目の部分が破損し、仕上げが分離しています。

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比較的新しいホテルもこの状態。応急処置で隠していますが、やはり建物の弱点のようです。

極端な形状の場合、建物を分けて構造計画し、継ぎ目部分を分離します。その判断が難しい建物もあります。木造住宅などは形状が複雑なので、普通にL型の建物もありますね。実際に形状的に不安な建物はかなり町で見かけることがあります。もちろん高層の建物のほうがより被害がでやすいと思いますが、木造住宅も油断ができません。そのような場合どのような補強案があり、どのように設計に気を遣わなければならないか?その当たりを考えるのが構造技術者です。構造計算しているから大丈夫!と思うかもしれませんが、上記の二つの建物は構造計算をしている建物です。構造計算ですべてを確認できるわけではありません。設計の配慮はやはり設計者が最終判断をしなければなりません。震災から学ぶことはたくさんあります。被害状況から目をそらさず、一つ一つ検証していくことが大切だと思っています。