新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法を考える

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熊本地震で新耐震基準の建物はおろか耐震等級2を取得した建物まで倒壊しました。地震に前例がない、とよく言われますが、当たり前の事で学者達の言い訳ではありません。まあ言い訳に聞こえるシーンも多いのですが。

さて、その教訓からか、比較的新しく木造住宅の耐震診断の助成金にも普通は該当しないいわゆる「新耐震基準」の住宅向けに、「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」というものが、昨年公開されました。対象は1981年6月から2000年5月までに建築された木造住宅です。名前の通りです。国もようやく新耐震にも目を向け始めたか?と思う方もいるかもしれませんが、既に、なまあず本舗の耐震診断の半分は新耐震なので、遅すぎると感じています。

建物に不安を感じるのは、古いも新しいもないです。そして木造2階建ては未だ構造の審査もありませんので、耐震的に適した設計・施工が行われている保証はありません。そういった不安からか、近年相談に来られる方が急増しています。実際それらの建物を見てみると・・・

・確認申請書と建物が大幅に形が違う
・壁量計算されていても施工が違う
・金物が適切についていない
・そもそも壁量計算すらされていない

という建物が大半です。数年前の施工の建物でも散見されます。なまあず本舗に役所で壁量計算が添付されていないから付けて欲しいと言われたので、急ぎで作ってくれ!!という注文が毎年数軒来ます。指摘されなかったらやらないのでしょうか??若干不安です。また簡単な計算とチェックなのですが、それをできない建築士がいるというのはいささか不安です。

さて、そんな現状ですので、この新しい検証法で見てもらうのは良いことだと思います。肝心の中身ですが、まずは自分で見ることがステップ1となっており、まずは自分で・・・ということになっています。そしてステップ2として、専門家による検証を行います。これはほぼ一般診断法といえる内容です。ただ「ほぼ」です。壁の評価などが異なりますが、効率的に診断できるように工夫されています。ステップ1のチェック方法はこちらでダウンロード出来ます。

個人的には、これなら従来の一般診断法でもいいかな?とも思うのですが、これはこれで判断しやすく場合によっては有効と感じています。先に指摘した4点に思い当たることがある場合は、やはり専門家に相談したほうがいいですね。

なまあず本舗設計室でも、耐震診断やこの新方式の診断に対応しておりますので、気軽にご相談くださいませ。