鉄筋コンクリート造の耐震診断はなぜ高い??

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おはようございます。昨日からはすごい強風が吹き荒れています@東京。近年強風が吹き荒れることが多いです。特に春。なぜでしょうねえ。台風と違って大雨を伴うことがすくないとはいえ、風速だけでは負けていないような気がします。もう少し天気予報でも注意をしたほうがいいような気がします。怪我人もでていますし・・・。

さて、鉄筋コンクリート造の耐震診断のお問い合わせを良く受けます。しかし成約になるケースは稀です。成約になるケースは、沿道耐震など補助金を得られる場合がほとんどです。理由は高いからです。電話でのお問い合わせで概略金額をお知らせすると、かなりの人が「こんなに高いのですか?」といいます。目安だけで良いから安くして・・・と言う方もいますが、それも難しいのです。

理由は、様々です。木造に比べて鉄筋コンクリートは壁を剥がす!みたいな簡略な調査ができないのも理由の一つです。図面が正確にある場合でも、それを一部確認しなければなりません。コンクリート強度を測る試験、鉄筋を確認するためのはつり。どちらも建築設計事務所ではできず、外注します。これが金額が高くなる一番のポイントです。設計事務所は一見高い報酬をもらっているように見えるのですが、この外注費が思いっきり負担になります。先日、とある診断の見積書をチェックしていましたが、さすがに笑ってしまいます。ほとんどが外注費でしたから・・・。特に小さめの住宅などは、外注費が診断費を上回り、人件費を除いても赤字・・・になることもあります。よってやる人もいませんし、良心的にやろうと思っても、非常に高い金額になってしまいます。

もっとも高い理由は、木造に比べて診断をマスターする時間もかかります。木造は構造計算の知識がなくてもできるかもしれませんが、鉄筋コンクリート造では、構造計算の知識は不可欠です。というのも、鉄筋コンクリート造の耐震診断ソフトは、構造計算ソフトを改造して作っているので、非常に難しいです。また診断手法も構造計算に近いです。ですから高い技術料を受け取らないと割にあいません。そして経費的にも高価な耐震診断ソフトの購入、サポート代金なども重くのしかかってきます。もちろん講習会なども出ないと技術を維持できませんし、書籍の購入も必要です。診断に時間がかかるので、人件費も非常にかかります。そのため安くおさめようと努力しても厳しいのです。

なまあず本舗設計室では、お客様の声をききつつ、図面だけの診断・チェックなどのみなど、柔軟な対応もやってきました。しかし限界もありますし、現地診断に比べて精度が低いのは否定できません。プロとしての仕事をするためには、ある程度の金額がかかることをご理解の上、実施させていただきます。