昔の建物に比べ、最近の木造住宅は気密性が優れています。窓の性能もアップしていますし、断熱材を入れることも当たり前になっています。また石膏ボードや構造用合板で囲まれた部屋は気密性も高く、暖房・冷房効率も良くなっています。
し かし良いことばかりではありません。空気の流れがなくなり、締め切りだと湿気や汚れた空気がこもりやすくなります。24時間換気でも入れておけばまだいい のですが、スイッチ式のため消しているひともいます。もちろん居住者の判断や暮らし方の問題なのですが、昔の建物とは違った注意点が必要です。
新 築の場合は、一から設計しているわけでまだ問題が顕在化しにくいのですが、リフォームの場合、元々そのような構造になっていなかったものを変化させるわけ で、注意が必要です。断熱リフォームをしたら、カビが増えた!とか結露が増えた!という意見も聞きます。ただ断熱材を入れる!窓を交換する!だけでは断熱 リフォームとはいえません。十分な調査と十分な知識に基づく断熱設計を行わないと逆効果になることもあります。設計事務所に頼むと設計料が高いから!と思 い、敬遠しがちですが、難しい行為に関してはその道のプロに設計を依頼することが重要です。またお金が高くなる!というかもしれませんが、無駄な工事を行 わないことによるローコスト化を望めるシーンも多いです。もちろんトイレ一個の交換のような単純作業では設計事務所に依頼するコストメリットは薄いのです が、ある程度まとまった工事ならコストメリットも出てきます。
断熱リフォームは、暖房・冷房の効率を良くするだけでなく、健康的に暮らす諸要素を含めてこそ意味があります。だから短期間の打合せでうまくいく!というものではありません。成功させるためには、断熱設計の知識・経験豊富な、設計者と施工業者が必要です。断熱も耐震と同様に専門的知識・経験は重要です。値段だけで考えるのは早計です。