第1クール第1話の技術情報(吉村邸) なまずくの耐震事件簿

なまずくの耐震事件簿 第1クール第1話の技術情報(吉村邸)

平面図

作中に図面と間取りが違う、という話が出てきますが吉村邸の1階は、図面と現状が3箇所違います。

現状は、図面と3箇所異なる。上の図面と違うところを確認してほしい。

 

リビング西側掃き出し。図面上は両サイドに壁がある。
リビング西側掃き出し。現状は図面と異なり幅が広いサッシとなっており、右側に壁がない。

図面上玄関入った階段前は、3尺(910mm)。の壁があり、階段がほぼ隠れてしまいます。

現状は、階段の見通しをよくする為に、袖壁が半分になっています。

図面ではリビングに邪魔な壁がありますね
現実では壁がありません。この壁は耐力壁(筋かい)であり、耐震に重要なのですが、使い勝手が悪くなってしまうので、勝手に取り払って施工しています。

壁量計算結果

新築の壁量計算を行った結果です。新築の場合は壁量計算を行い事前に耐震性が確保できているか?確認しまます。既存住宅の場合は劣化度も含めた耐震診断の結果で耐震性を判断します。下記表は、建築基準法で求められる壁量計算のうち、地震に絞って検討した表で、1.0以上だと基準法を満たしていることになります。

壁量計算(地震力のみ)
X方向(横) Y方向(縦)
<図面の壁配置>
2階 1.02 0.95
1階 1.30 1.00
<現状の壁配置>
2階 1.02 0.95
1階 1.30 0.50

診断に先立ち簡単に計算してみました。図面上は2階Y方向が若干足りないが、他の方向は満たしているようです。この建物は新耐震ですが、設計者が壁量計算を行っておりません。このような建物は新耐震でも数多くあります。

現状の壁配置では、2階は同じですが、1階は3箇所筋かいがないので、大幅に下がっています。基準の半分しか壁がないことになります。診断を行うまでもなく非常に耐震性が低い建物ということが推定できるでしょう。

耐震診断結果

現状の診断結果と、図面上の診断結果を比較しましょう。現状のほうが耐震性がかなり低いことがわかります。吉村さんががっくりするのが目に見えるようです。

振動アニメーション結果

図面と現状を、wallstatという振動アニメーションソフトで揺れ方を比較してみます。耐震性が低い方が揺れるので壊れやすくなります。

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2018年8月3日公開
2018年8月13日更新(壁量計算結果掲載)