筋かいを考える

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こんにちは。台風凄かったですね。本土ではなく八丈島付近でしたが被害の状況が伝わってきます。またインターネットが使いにくくなっているのは、海底ケーブルの影響か?と言われています。携帯もしばらく使えない地域があるとか。どのような被害がでるかわからないですね。日頃の便利な生活がいつまでも続くわけではない、ということに気がつかされます。

さて、なまあず本舗は、そのようなこと心配しても何もできません。我々ができるのは木造住宅の耐震化です。ただ筋かいを入れれば良い、構造用合板を入れれば良い、というところから一歩踏み込み、さらに安全安心な家を作り上げることを本職としています。今回は筋かいについてお話します。

筋かいは、木構造の専門家や建築家に近年嫌われてきていますが、昔からある効率的に耐震性をあげるための部材です。では、なぜ嫌われ始めているのでしょうか?

まず建築家からみると、外周部にいれると断熱材を入れにくくなることです。効率も落ちます。なので、できれば入れたくないものになります。

木構造の専門家から言わせると、端部に明らかな弱点があり、高耐震になればなるほどその欠点がでやすくなることです。また他の金物との干渉も大きく施工しにくいのも嫌われるポイントです。

そこで近年は構造用合板を始めとする面材で施工することが流行です。それも強くするため、釘などを密に打ったりします。非常に合理的で理にかなっていますが、1つ不安があります。

それは、繰り返しの地震で面材に打ち込まれた釘が抜けてくるのではないか?ということです。そのため比較的余裕がある壁量を確保することが重要で、耐震等級2とか3とかが必要と、構造の専門家がいうのはそのためだと思います。私もそう思います。特に新築は、耐震補強より長い期間建ち続ける家が多いので尚更だと思います。

また地震には周期など震度以外の要素が大きいです。同じような強さの部材を入れて均等に負担できれば良いのですが、家の形は千差万別。なかなか難しいです。

そこで筋かいの再登場です。外周はともかく内周なら断熱材の影響は少ないですし、コンセントボックスなど位置を気をつければ、面材より対応が楽だったりします。

しかし筋かいは細い材料であるため、フシや割れがあるものを使わなければならなかったり、金物も安価なものを使うため信頼性が低くなることがあります。

そこで、なまあず本舗では、耐震補強などで、筋かい金物などに工夫を加えることがあります。

この金物は、ブレスターZ600という金物です。特殊なスリットを入れ、筋かい端部が割れたり抜けたりしないよう、粘り強く筋かいを守ります。

ブレスターZ600製品ページ | 岡部株式会社
ブレスターZは特殊なスリット形状を持つ“木造筋交い用接合金物”で、“初期剛性の高さ”と“粘り”を両立します。木製筋交いに金属の粘り強さをプラスした今までにない発想の木造筋交い金物であり、建築基準法の規定はもちろん、法令化することが困難な“大...

また、この金物は、通常の筋かい金物より太い材料まで留めつけが可能なので、90×90の筋かいを使い、割れなどの影響を軽微にし、さらに強度アップしています。

ただ90x90だと、柱が105x105なので、途中で割らなければならず強度が落ちます。そのため、ブレスターXという金物を使って、強度アップ+ねばり強さアップさせています。

なんだか強そうに見えますよね?実際強いよりも粘り強く壁や筋かいが崩壊しないように支えますので、通常の筋かいより遙かに強度が出ます。またこの形だと断熱材も入れやすいです。

なまあず本舗では、さらにこの筋かいを性能がでやすくするための施工上の注意点を作り、施工時に施工店にチェックしていただいております。そのため性能をきちんとだすことができます。ただ単に金物を使えばいいというものではないのです。

過ごしやすいシーズンに入りました。耐震が不安な方は、ぜひなまあず本舗設計室に相談くださいませ。