木構造は新時代へ

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木造住宅は、構造計算が必要ない。長らくその状況が続きました。建築基準法上、壁量計算が定められましたが、実際はやっていない建物が多く存在する時代が続きました。新耐震基準になっても同様でした。しかし阪神大震災で状況は変わりました。金物の重要性なども叫ばれ、2000年に基準が改定されました。しかしながら、それでも審査や検査がないので安全を確認していない建物が存在しました。何よりも完了検査を受けない建物が多かったのです。そして耐震偽装事件。ここでようやく木構造の審査を行おうという機運が高まりましたが、結局先送りになりました。しかしながら完了検査を受けるのは常識となり、壁量計算やN値計算の普及も劇的に上がりました。

法整備や建築界のモラルの向上に伴い、木造住宅の耐震性を高める気運は更に向上。耐震等級2や3を取得する建物が増えました。木造3階建ては従来から構造計算されていたのですが、構造計算の普及に伴い、木造2階建ても構造計算を行われるものが増えました。こうして木造住宅の安全性がようやく高まってきたといえる段階に入りました。

しかしながら、時代は更に進もうとしています。コンピュータ解析の向上、計算技術の向上は、更に進化を促してきました。

3月に行われた木造ラーメンの講習会は、認定物やメーカーの特定の部材を使わず、木造軸組工法のラーメン構造でした。比較的簡易な方法で検証ができるので、今後取り入れる設計者は増えると思います。大臣認定部材も進化し数も増えてきているので、より合理的に設計施工できるようになりました。制震金物も設計者が使いやすいものが増え、施工的にもやりやすいものが増えました。

なまあず本舗設計室も、そんな時代の流れに置いて行かれないように日々努力を重ねています。木造ラーメンに関しましては、検証を行い導入するかどうか最終段階に来ています。制震工法には、仕口ダンパーの他にも導入を検討し、設計法について研究中です。金物工法は、Guwuでお馴染みのテックワンP3プラスの導入を推進しています。さまざまなお客様の要望に応えられるように、そして安全に設計できるように日々努力を重ねています。新工法などは導入しよう!といって導入できるものではありません。金物もただ取り付ければいいわけではありません。それぞれルールや検証方法があります。それらを熟知し、さらにノウハウを溜めることによって初めて安全にその性能を発揮できるようになるのです。時間がかかるものなのです。

まずは、GUWUの設計、施工を皆様にお伝えしていこうと思います。夏に施工予定ですので、見学会なども企画予定です。お楽しみに!