Guwuのトラス構造解析

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おはようございます。ちょっと雨続きで涼しい今日の府中。事務所内は冷暖房を使わなくていいので快適ですが、皆様いかがおすごしでしょうか?

なまあず本舗設計室では、2月に発表した新型木造住宅Guwuのモデル住宅の設計も佳境に入ってきました。Guwuで利用する工法は、木造金物工法のテックワンP3プラスなので、通常の木造の設計とほとんど同じです。ただし屋根面を7.28mスパンを飛ばしているので、その部分を単純なトラス構造としているため、構造検討が必要です。使うソフトは、FAP-3とMED-3です。どちらも株式会社構造システムの構造解析ソフトです。FAP-3で部材の応力を算出し、MED-3で断面算定を行います。今回は金物や木材の限界に挑戦するというのではなく、現実的なスパンで行っているため、十分すぎるほどの性能をたたき出しています。メーカーによれば12mが可能であり、私が見学にいった栃木の案件は、実際12m飛ばしていました。そのときもまだ余裕があるな・・・と感じられたので、7.28mというのは、ある意味過剰性能なのかもしれません。下はFAP-3の解析画面です。

image126 (Mobile)

この単純なトラスの特徴は、中央で左右に分割して輸送できること。つまり4m以下という通常の材料と変わらない長さとなるのです。7.28mを一本の部材で飛ばすのは技術的に可能なのですが、輸送の問題は頭が痛いです。実際運べない地域もあります。運送費も跳ね上がりますし、工事もしにくいのです。その点このトラスは分割できるので通常のトラックで十分運搬でき、現地で簡単に組み立てることができます。金物工法系のトラスは現地での組み立てが簡単なのが一番のポイントです。そして工期短縮が図れるという副次的なメリットも大きいのです。しかも使う木材は住宅と同じクラスのものでよいので、これから活用方法について更に広がると感じられます。具体的には高齢者向け施設、公会堂、幼稚園、ちょっとした会議施設などが想定できますが、Guwuのように、一般住宅でも十分活用できます。

今回は活用しませんが、方杖タイプ、高耐力壁タイプなど、耐力壁として利用する工法にも転用できますので、そちらの解析も開始しております。今年中には様々な設計サンプルを発表できると思います。お楽しみに!